今回の東北地方太平洋沖地震の影響により、関東・東北の広い範囲で断水や電力の不足による停電などが起きています。この二つにより大きな影響を受けるものとしてまず挙げられるのはトイレの問題です。断水時に加え,水道水をポンプで屋上までくみ上げて貯水槽に貯めている方式の集合住宅にお住まいの方は停電時にもトイレの洗浄水が確保できなくなることが考えられます。また,近年増えているタンクレストイレの場合は,停電時には通常のリモコンによる操作とは異なる方法で水を流す必要があります。今回は断水ならびに停電時のトイレの使用方法について簡単ではありますがまとめてみました。衛生陶器愛好家として、少しでもお役にたてれば幸いです。
■断水時
ほとんどの水洗便器では便鉢内にバケツ1杯(8L程度)分程度の水を流し込むことによって汚物が押し出され、洗浄が可能となります。排水管内に汚物が停滞する恐れがあるため、2~3回に1回は10~12Lの多めの水を流すのが良いようです。故障の原因となるため温水洗浄便座などの電気を使う部分に水がかからないように注意してください。また、自動便器洗浄機能が搭載されている機種の場合、機能が作動して保安用水(消防防災用及び水道管破裂を防ぐために断水中も水道本管にある水。)が出てくる場合があるため、断水中は機能をオフにしておくとよいようです。
参考:http://www.toto.co.jp/News/dansui_teiden/index.htm#dansui
アラウーノやエシェルなどのパナソニック(旧松下電工)製タンクレストイレの場合、ターントラップ式と呼ばれる特殊な洗浄方式を採用しています。便器に水たまりを作るための部分をトラップといい、通常の便器では山のように盛り上がった形にすることで水をせき止め、洗浄時には水の勢いで汚物を押し出す仕組みになっていますが、ターントラップ式の便器は、L時型になったトラップが洗浄時に下方向に180度回転することで汚物を下水に落とす仕組みになっています。この方式の便器では以下のリンク先の通り、便器の下部にあるダイヤルでトラップを下向きにして汚物を排出させ、その後トラップを戻した後にバケツの水で水たまりを作るという方法をとることも可能です。
http://sumai.panasonic.jp/teiden/toilet/index.html
※エシェルの取扱説明書では上記二つの方法が掲載されていますが、アラウーノの取扱説明書には後述のダイヤル方式しか触れられていないので、できる限りダイヤル方式を使用したほうがよいと思われます。
■停電時
レバーを操作して便器洗浄するタイプ、または普段はリモコン操作だが便器本体にも洗浄レバーがあるタイプの便器をお使いの方は、停電時には特に問題なく便器洗浄を行えます。問題はリモコンで便器洗浄を行うタイプで、本体に洗浄レバーらしきものがない便器をお使いの場合です。各社のタンクレストイレや、一部のタンク付温水洗浄便座一体型便器これに該当します。方法を各社ごとに見ていきます。
・TOTO
http://www.toto.co.jp/News/dansui_teiden/index.htm#teiden
上記リンク先のように本体側面のパネルに隠されたレバーを操作して洗浄操作が可能です。リンク先ではNEOREST A、D、Xシリーズのみとなっておりますが、見かけ上は洗浄レバーのないウォシュレットQUEENやZGなどのタンク付のウォシュレット一体型便器についてもパネル(これらの機種の場合はタンクの上部にあることが多いです。)に洗浄レバーが隠されているため、これを操作すれば洗浄が可能です。ただし、AH、RHシリーズ(ネオレストハイブリッド)、GGシリーズにはこれらのレバーがついていないため、前述の断水時と同じ方法で便器洗浄する形となります。
・INAX
http://www.inax.co.jp/img/notice_0316_el_toilet.pdf
INAX製タンクレストイレもほとんどの機種でレバーによる手動洗浄が可能です。SATISについては3世代目までの機種では手動洗浄用のレバーが本体外側に露出しているので見つけるのも比較的容易かと思われます。REGIOも操作がやや煩雑ですが手動洗浄が可能です。ただし現行SATIS(型番がDC-S4**となるもの)については手動洗浄用レバーが省略されているため、前述の断水時と同じ方法での便器洗浄が必要です。
・パナソニック
http://sumai.panasonic.jp/teiden/toilet/index.html
トラップを回転させて洗浄する方式のため、トラップ駆動用の電力のない状況では基本的に前述の断水時の対応(ダイヤル方式またはバケツ方式のいずれか)で便器洗浄する形となります。
また、他の家電製品と同様に停電時には電源プラグを抜いておくことをお勧めします。
今回は断水時のトイレ使用方法と、停電時に特殊な洗浄操作が必要となる便器についてメーカー別に見ていきました。余震や不安定な電力事情など不便の多い生活が続きますが、トイレについての不便に備えるのに少しでもお役にたてれば幸いです。
最後となりましたが、被災された方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。