ホイスとはいかなる酒か?

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浅草橋にある「西口やきとん」で飲んだ。
やきとんが安くて旨い。レバ刺しも旨かった。
ビールを1杯飲んだあと、私はホイスボールなるものを注文した。メニューには括弧して幻のボールとある。
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280円。安い。
飲んでみると、悪くない。ちょっとくせになりそうな感じもした。
ホイスとは、いったいどのような酒なのだろうか?


江口まゆみ『ニッポン酒紀行』(ジャストシステム2000年)にホイスのことが詳しく載っていたので紹介しよう。
ホイスは白金にある後藤商店が造っている。
「ホイスは昭和25(1950)年頃から手がけて、関西で売り出されたのは昭和30(1955)年過ぎだった」そうだ。

庶民にとって、ビールやウイスキーは高嶺の花で、もっぱら焼酎が飲まれていた時代。だが、当時の焼酎の品質は悪く、味も匂いも強烈だった。「あんなもの体に悪い」と思った先代は、もっと体に良くておいしく飲める飲料を模索し、ついに「ホイス」を完成させたのである。ウイスキーをもじってホイスキー→ホイスと名付けられそれは、ウイスキーのハイボールとビールの中間を狙ったもので、ホイスと焼酎と炭酸を4:6:10の割合で割って飲む。そう、これぞチューハイの元祖なのであった。

ホイスを造った「先代は、東大の哲学科を卒業してすぐ、着の身着のまま貨物船に乗って韓国へ行き、大陸づたいにソ連からヨーロッパへと世界一周旅行をした人」である。「帰ってきたときは、酒や料理にやたらと詳しく、なぜか医学の知識まであり、5ヵ国語を話せる達人になっていたというのだ」。
創業者は世界中を回り、旅先で出会ったあらゆる材料を混ぜ合わせ、ホイスを造った。だからホイスはいろんな珍しい材料が入っている。「漢方のトウヒ、チンピ、南米産のコンズランゴウ、チラータなどの強壮成分に、リキュール、ワイン等を加え、ズブロフカの風味をつけている」。
こんな背景を踏まえてホイスを飲んだら、さらに旨いのではないだろうか。

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