西新井ラーメンという店がある。その名の通り、東武伊勢崎線の西新井にあるラーメン屋なのであるが、店を構えるのは駅構内である。とはいえ、「エキナカ」のような高尚なものではなく、スタンド形式のラーメン屋である。
いまも通勤に使っているこの電車、小学校の頃は、この電車に乗って友達と、北千住や浅草・上野によく出かけていた。当時の電車はたしかクリーム色だった。そして改札にはリズミカルに改札鋏を鳴らしながら乗降客を待ち構え、テンポ良く受け取った切符に鋏を入れる駅員が存在していた。あの特殊技能は子どもの私たちにとってあこがれの存在であった。友達の兄が某鉄道会社に就職したと聞いては、みんなであこがれていたものだ。
みんなで電車で出かけたその帰りには、必ずといっていいほど西新井駅にいちど下車し、ここのラーメンを食べていたものだよなぁ。てなことをふと思い出し、懐かしくなってきたので、途中下車をし立ち寄ってみた。
▼こんなお店です

ホームから階段を上って改札へ出るわけだが、その階段裏側のスペースに西新井ラーメンはある。「ラーメンを食べるために途中下車」をしただけなのに、電車から降りたとたん、醤油ラーメンのいいにおいがしてきた。(いままで意識したことがなかったが・・)
▼これが看板

さほど昔と面影は変わっていない気がする。
券売機で食券を購入。ラーメンは450円だった。
▼メニューは貼ってある

食券をカウンターでおじさんに渡す。そしてしばし待つ。店員のおじさんは丼に醤油ダレ入れ、長ネギを投入。その奥にいるおばさんが麺を茹でていた。中華鍋に湯をくべてそこに人数分麺を入れ、平らなザルで湯切りする。最近では深さのあるザルで一人前ずつ麺を茹でる店が多いが、平らなザルで湯切りするスタイルのラーメンは久々にみた。複数の客が発生した場合、その人数分の麺を鍋に入れるわけだが、湯がきあがった麺を人数分過不足なく均等に分けるという作業はけっこう技術が要るように思う。
ゆであがる時間帯が近づくとおばさん、おもむろにこの丼にスープを注ぐ。よくありがちな「タレをお湯で溶かす」のではなく、底の深いお玉一杯分の白濁のスープでタレを溶かしていた。スープをちゃんと作っているようだ。そのときおじさんの手にはナルトとチャーシューがスタンバイ。麺を分け終わるとすかざす投入され、そのほかメンマ・わかめなどもトッピングされて「はい、おまち」とラーメンを渡された。
▼これがラーメン

俗にいう東京ラーメンって奴だ。醤油味である。おいしい。チャーシューも歯ごたえがあり、そのよくチャーシューの評価軸として使われる「柔らかさ」みたいなものはない。かたい、というか歯ごたえがある。けど美味しい。
▼麺にスープがよく絡む

前日、新宿で朝まで痛飲しており、体調が優れなかったのだが、あっさりしていたので一気に食べてしまった。その間電車が2本ほど通り過ぎていった。
屋外で食べているので、より美味しく感じるのかもしれない。(バーベキューや外で食べる弁当が美味しいように・・これって何でだろう)。ならんでラーメンを食べることを否定するわけではないが(むしろ私もよく並ぶ)、このように並ばなくてもスピーディに電車の合間時間を利用してさくっと美味しいものが食べられる、ってのも大事であるよなぁ。
しかも下りホームというのがニクい。「都心での用事(含、仕事)が終わり家路へ向かう客」相手がターゲットなのだろうか。家に帰る途中でちょっと下車し、そのホームでさくっとラーメンを食ってそのまま後続の電車に乗って帰る、なんてことができるわけである。
・・・食べていてわかったがやはり麺の量が多い気がする。いや丼が比較的小さいのでそう通常の一人前の麺が相対的に多く見えるのかもしれない。450円のラーメンでもけっこうな満腹感だった。
▼もう一度ラーメンの写真をみてください

なんていったらいいだろう・・丼の中で麺がやたら浮かび上がって見えないだろうか。周りの人たちが食べる様をみていても「麺をすする」というよりも「麺を食う」といった感じだった。本当に量が多いのかわからないが、腹持ちが良かったのは事実だ。
以前も醤油ラーメンを他の店で食べたが、同じような印象を受けたことを思い出した。トラディッショナルな醤油ラーメンにはそういう傾向があるのだろうか。今後検証してみたく思った。