新宿「日本再生酒場」から中央線に乗って国立「まっちゃん」へ
2009年2月11日[書を持って街へ出る] by ii氏
「ザ・ローリング・ストーンズ『シャイン・ア・ライト』を観て、仲足龍造の店へ行った」のつづき。
仲足龍造の店に入れなかったので、私たちは新宿三丁目の立ち飲み屋「日本再生酒場もつやき処い志井」に行った。
そういえば、「赤ちょうちん」も「日本再生酒場」も下町貴族さんに教えてもらった店だ。
さすが、舌を鍛えているだけはある。
この店は昭和30年代風になっている。
しかし、私はそのへんには興味がない。
もつが旨いから行くのである。
ホルモンを食べ、ビールを飲み、日本酒を6合(2人でね)飲み、満足して店を出た。
新宿駅から中央線に乗り、家へ向かっていると、私はひらめいた。
「そうだ。『まっちゃん』に行こう」
「まっちゃん」とは国立にあるもつ焼き屋である。
もつ焼きついでに、もう1軒。
それに、女性は土曜日しか入れない店だから、今日(1/17)なら「妻」も行ける。
山口瞳の『居酒屋兆治』のモデルとなった店は、2006年に店を閉めた谷保の「文蔵」である。
「文蔵」の八木方敏が修行した店が「まっちゃん」なのである。
八木さんが会社を辞めた。彼は会社の異動で総務部行きを命ぜられた。折からの石油ショックで人減らしをしなくてはいけない。どうやら総務部で首切役人のようなことをやらされるらしい。
「俺には、そんな仕事は出来ない」
昭和四十九年八木方敏三十七歳のときの事件である。彼はまっちゃんの日塔さんに弟子入りした。一週間だか十日だかの即席修行で八木さんは南武線谷保駅の近くに店を持った。物置を改造した小さな店である。
(山口瞳『行きつけの店』新潮文庫2000年)
「まっちゃん」は草野心平が合格を出した店のひとつである。
つい最近まで国立市に住んでいた詩人の草野心平さんが、この町に来たときに私と同じことをやったというのである。その結果、合格したのが寿司屋の繁寿司、焼鳥のまっちゃん、鰻のうなちゃんであったという。
(山口瞳『行きつけの店』新潮文庫2000年)
店に入ると、ほぼ満席。
何とか入れ替わりで2席確保した。
お通しはキャベツ。
もつ焼きを4種類2本ずつと煮込を注文した。
旨い。
壁には、
お客様へお願い
お酒をお召し上がらない方はご遠慮ください
またご婦人の方は土曜日にご来店ください
店主
とある。
だから、日本酒を4合ぐらい(2人でね)飲んだ。
8時前にはもつ焼きと煮込が売り切れた。
煮込の豆腐だけは残っていた。
後から来たお客さんは、売切れたことを聞いて、豆腐とビールを注文した。
煮込の豆腐しかなくてもお客さんが入るもつ焼き屋。
「まっちゃん」はそういう店なのである。

