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2009年2月 1日

自宅から湯治に通う方法を考える【武蔵村山「かたくりの湯」編】

今回は、まず、「温泉法」の温泉の定義をみてみよう。
第2条にはこうある。

この法律で「温泉」とは、地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。

別表とはこれである↓。

1.泉源における水温が摂氏25度以上
2.以下の成分のうち、いずれか1つ以上のものを含む。(含有量は1kg中)
溶存物質1,000mg以上
遊離炭酸250mg以上
リチウムイオン1mg以上
ストロンチウムイオン10mg以上
バリウムイオン5mg以上
フェロまたはフェリイオン10mg以上
第1マンガンイオン10mg以上
水素イオン1mg以上
臭素イオン5mg以上
ヨウ素イオン1mg以上
フッ素イオン2mg以上
ヒドロひ酸イオン1.3mg以上
メタ亜ひ酸1mg以上
総硫黄1mg以上
メタほう酸5mg以上
メタけい酸50mg以上
重炭酸ソーダ340mg以上
ラドン20(100億分の1キユリー単位)以上
ラジウム塩1億分の1mg以上

つまり、次のどちらかを満たせば、温泉なのだ。

①源泉で採取された時の温度が摂氏25度以上
②指定する18種類の成分のうち、いずれかが定められた含有量を超えているか、成分の総量が1000ミリグラム以上


さて、温泉の定義を踏まえたところで、「かたくりの湯」についてである。

湯治に通う温泉は、源泉かけ流しが良いと思うのが、「かたくりの湯」は循環である。
でも、我が家から8.5kmと近い。
しかも、「妻」の実家も武蔵村山なので、すごく近い。
だから、仕事の後、「妻」の実家で夕飯を食べ、温泉に入り、帰宅する、なんてこともできる。
通うにはもってこいである。
だから、行ってみた。

katakuri1.JPG

katakuri2.JPG

しかし、この温泉は、塩素の臭いが強い。
温泉というより、温かいプールである。

温泉分析書をみてみよう。

katakuri3.JPG

泉温は22.9度である。
1500メートルも掘っているのに!

周知の通り、地球は地熱があり、中心近くはものすごい高温のマントルです。地熱は地面を一〇〇メートル掘る毎に、〇・六度以上高くなるといわれます。山の湧水の温度で十五~十六度、井戸水は十七~十八度位です。したがって地下水さえ流れていれば、理論的にいっても、一四〇〇メートル掘れば、必ず二五度以上の温泉が得られます。うまくいって、途中で湯脈にぶつかれば高温の温泉を得るチャンスもあります。近年はこういう深い所まで鑿井(ボーリング)する技術が進歩しましたので、どこでも深井戸による温泉を得たのです。
大石真人『温泉の文化誌』(丸善ライブラリー1995年
東京近郊で地面を掘れば、地温は100メートルあたり2.3度上昇するといいます。東京の平均気温は16.7度(平成14年)ですから、500メートルも掘らないで「温泉」が得られることになります。水脈にさえ当たれば、この基準をクリアできない「温泉」はそうないでしょう。
松田忠徳『温泉教授の湯治力』祥伝社新書2005年

大石真人や松田忠徳の本をみると、1500メートル掘ったら、25度以上になるはずなのに、ここは22.9度である。
どういうことだ。

また、かたくりの湯の溶存物質は186ミリグラムとかなり少ない。

じゃあ、どうして温泉なのかというと、メタほう酸が7.6ミリグラム含まれているからだ。
基準は5ミリグラム以上。
ギリギリである。

1500メートルも掘って25度に届かず、溶存物質は186ミリグラムしかないが、なんとかメタほう酸が5ミリグラム以上含まれていた、ギリギリの温泉である。
湯治に通いたくはないが、なんか応援したくなる温泉である。


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