現在、新刊書店で手に入る、大石真人の温泉の本は、『温泉の文化誌』(丸善ライブラリー1995年)ぐらいだと思う。
『温泉の文化誌』には「温泉ガイド100選」が載っていて、そこにこんなことが書いてある。
何分にもわずかなスペースでまとめましたので、意をつくせません。申しわけありませんが、詳細は小著『全国温泉ガイド200選』『全国温泉ガイド200選PART2』(いずれも実業之日本社刊)に掲載してありますので、ご参照下さい(一部掲載のないものもあります)。
『PART2』は持っていないが、『全国温泉ガイド200選』(実業之日本社1994年)は持っている。
『全国温泉ガイド200選』を見てみると「はじめに――必ず最初にお読みください――」にはこんなことが書いてある。
これまで筆者は何冊もの温泉ガイドや『全国温泉辞典』を上梓してきました。その際、読者が問い合わせてくる質問の多くは、「どこかよい温泉はないか」という漠然としたものです。そこで筆者は、本書の前身である山と渓谷社版『全国いでゆガイド』においては、六〇〇余の温泉を紹介し、おすすめの温泉は☆☆☆、まあまあの温泉は☆☆、時間があれば立寄ってもよい程度の温泉を☆と、ミシュランのリストまがいの印をつけて出したところ、大変好評で、同書は一三年間も続きました。昭和五十五年にその本を絶版にしたのですが、いわゆる☆☆☆温泉ファンが残り、☆☆☆温泉集発刊の希望が読者から多く寄せられ、また実業之日本社からおすすめもあったので、昭和五十七年以来☆☆☆温泉を集めて上梓したのが本書であります。
こういうのを読むと、☆☆温泉や☆温泉も載っている『全国いで湯ガイド』も読みたくなってくる。
「100選」と『200選』と『全国いで湯ガイド』(600選?)をみくらべてみると面白いのではないか。
しかし、この『全国いで湯ガイド』がなかなか入手できなかった。
古本屋にもない。
ネットの古本屋でも見当たらない。
地元の図書館にもない。
さらに調べていくと、都立中央図書館に所蔵されていることが分かった。
同じ東京都立の多摩図書館は自宅の近くなので、そこに取り寄せてもらうことにした。
『全国いで湯ガイド』が都立多摩図書館に届いたと連絡が来たので、仕事の後、閲覧に行った。
貸出は出来ないので、必要なページをコピーしてもらおうと思ったのだが、複写サービスは1枚25円(カラーは1枚130円)。
地元の市立図書館は自分でコピーするんだけど、1枚10円だったはずだ。
25円とは高い。
でも、本が手に入らないんだから仕様がない。
覚悟を決めてカウンターで
「コピーしてほしいんですけど」
と言うと、
「今日はもう終了しました」
と言われてしまった。
図書館は7時まで開いているが、複写サービスは6時までだというのだ。
時計を見てみると、6時3分!
役所か!
折角来たのに。
後日またコピーしにくることを伝え、この日は退散。
次の土曜日、再び都立多摩図書館へ。
カウンターで『全国いで湯ガイド』を受け取り、複写室に行くと、複写受付のカーテンがしまっている。
受付時間は10時から。
10時までには少し時間がある。
10時なるとカーテンが開いた。
私の腕時計が確かなら、10時2秒!
もしかすると、1秒も違わずに10時に開いたのかもしれない。
ここまで時間に正確だと、変な信頼感が生まれてくる。
コピーするページを紙に書いて伝えると、手際よくコピーしてくれた。
その姿は頼もしかった。
ここまで、精密なサービスであるならば、1枚25円でも仕方がない、と思えた。