【番外編③】田中和将、11年目の到達点
番外編はライブレポートをお送りします。
あなたもぜひ音楽は生で!
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9/12赤坂BLITZ、GRAPEVINEのライブ。 ツアーは後半に差し掛かっており、ヴォーカル田中の日記からも、 演奏がこなれてきてセットリストも改良されている様子がうかがえた。
開演。
ニューアルバムのタイトル曲『Sing』から、ゆっくりとスタート。
しかし、同様にゆっくりと始まった去年とは何かが違う。 なんだ、この胸を突き抜けていくものは。
2曲目、『CORE』。 続いて『スレドニ・ヴァシュター』。
楽曲が、演奏がすばらしいのは当たり前なのだが、 なにか迫ってくるものが今までと違う。
4曲目『Sffer the child』。
ここでわかった。
声だ。
なんと言えばいいだろう、まっすぐに歌っている。 余計な、屈折したような歌い方をしない。 今までなら、特にこういうラウドな曲のときは、 やたら遊んでがなっていたと思う。 それがないのだ。
震えた。
いまさらヴォーカルのすごさに震えがくるとは思わなかった。 そういえば"Bridge"誌のインタビューで 「ヴォーカリストであることに自覚的になった」 というようなことを言っていた。それがまさかこんなに凄まじい結果を生み出していたとは思いもよらなかった。
その声で、10年ぶりに生で聴いた『想うということ』で腰が砕けそうになった(一回目)。 音のグルーヴ感はもちろんのこと、 田中の声が身体を切り裂き、そして包んでいく。 僕のフェイバリットである前アルバムの名曲『指先』や『ランチェロ'58』も、 なんというか、届いてくる情報量が去年よりもずっと大きくて、
引き込まれ方が違った。
そしてシングル曲『Wants』。 音源を聴いたかぎりではさしていい曲だと思わなかったのだが、生まれ変わった田中が歌うことでメロディの美しさが引き立っており、サビで腰が砕けそうになった(2回目)。 『アンチハレルヤ』や『フラニーと同意』などのアッパーなナンバーも 気持ちよく煽られて乗りに乗った。
本編ラスト、アルバムのハイライト曲『Glare』は、 サビで上り詰めたヴォーカルに腰が砕けそうになった(3回目)。
アンコールは、まあほんとにオマケという感じで、驚くほどそっけなくこなして去ってしまったのだけど、まったく予測していなかった『公園まで』が聴けたのでまあ満足。
田中の声はおそらくツアーの中で徐々に変化していったのだろうから、後半で参戦したのは大正解だったのかもしれない。 もう一本、ラスト手前のJCBホールが残っている。そのとき田中の声は、どこまで神に近づいているだろうか。

