前回の「『B型自分の説明書』から小林信彦へ」で、小林信彦の『笑学百科』(新潮文庫1985年)をとりあげた。
『笑学百科』を読むきっかけとなったものは、坪内祐三の『シブい本』(文藝春秋1997年)の中の【エッセイストになるための文庫本100冊】である。
『笑学百科』はこの中の1冊だった。
では、【エッセイストになるための文庫本100冊】をみてみよう。
まずは岩波文庫
『枕草子』
『方丈記』
『徒然草』
夏目漱石『硝子戸の中』
島崎藤村『千曲川のスケッチ』
『寺田寅彦随筆集』
『中勘助随筆集』
内田百閒『冥途・旅順入城式』
ホフマンスタール『チャンドス卿の手紙』
J・L・ボルヘス『伝記集』
ただ一人であること
ルソー『孤独な散歩者の夢想』新潮文庫
リルケ『マルテの手記』新潮文庫
ヘンリー・ミラー『北回帰線』新潮文庫
モンテーニュ『エセー』岩波文庫
ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』岩波文庫
ソーロー『森の生活』岩波文庫
徳冨健次郎『みみずのたはこと』岩波文庫・品切
正岡子規『病牀六尺』岩波文庫
山口文憲『空腹の王子』新潮文庫
関川夏央『水のように笑う』新潮文庫・品切
散文の散は散歩の散
武田泰淳『目まいのする散歩』中公文庫
田中小実昌『また横道にそれますが』旺文社文庫・絶版
永井荷風『日和下駄』(『荷風随筆集』上巻)岩波文庫
木村荘八『東京繁昌記』岩波文庫
野口冨士男『私のなかの東京』中公文庫
田村隆一『ぼくの憂き世風呂』集英社文庫・品切
荒川洋治『ボクのマンスリー・ショック』新潮文庫・品切
川本三郎『ちょっとそこまで』講談社文庫
池波正太郎『散歩のとき何か食べたくなって』新潮文庫
種村季弘『好物漫遊記』ちくま文庫
「文章読本」に学ぶ
井伏鱒二『点滴/釣鐘の音』講談社文芸文庫
石川淳『夷齋小識』中公文庫
永井龍男『へっぽこ先生その他』講談社文芸文庫
吉行淳之介『犬が育てた猫』文春文庫
安岡章太郎『父の酒』文春文庫
三島由紀夫『裸体と衣装』新潮文庫
丸谷才一『遊び時間』中公文庫
山口瞳『男性自身 木槿の花』新潮文庫
開高健『食後の花束』角川文庫・品切
井上ひさし『さまざまな自画像』中公文庫
昭和軽薄体へ
深沢七郎『言わなければよかったのに日記』中公文庫
赤瀬川原平『ピストルとマヨネーズ』中公文庫
伊丹十三『日本世間噺大系』文春文庫
殿山泰司『三文役者あなあきい伝』ちくま文庫
山下洋輔『ピアニストを笑え!』新潮文庫
東海林さだお『ショージ君の「さあ!なにを食おうかな」』文春文庫
嵐山光三郎『新随想フツーの血祭り』新潮文庫・品切
椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』新潮文庫
村松友視『合本 私、プロレスの味方です』ちくま文庫
南伸坊『さる業界の人々』ちくま文庫
これぞ才能
武田百合子『犬が星見た』中公文庫
森茉莉『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』ちくま文庫
向田邦子『父の詫び状』文春文庫
林真理子『ルンルンを買っておうちに帰ろう』角川文庫
中野翠『ウテナさん祝電です』新潮文庫
森下典子『典奴どすえ』角川文庫
酒井順子『お年頃』角川文庫
内田春菊『もんもんシティー』文春文庫
群ようこ『日常生活』新潮文庫
白石公子『ブルー・ブルー・ブルー』新潮文庫
この時代の文章家たち
泉麻人『泉麻人のコラム缶』新潮文庫
玉村豊男『雑文王 玉村飯店』文春文庫
橋本治『デビット100コラム』河出文庫
荒俣宏『日本仰天起源』集英社文庫
景山民夫『極楽TV』新潮文庫
永倉万治『星座はめぐる』新潮文庫
沢木耕太郎『バーボン・ストリート』新潮文庫
中沢新一『幸福の無数の断片』河出文庫
中島らも『西方冗土』集英社文庫
久世光彦『昭和幻燈館』中公文庫
雑文は時代に対峙する
ジョージ・オーウェル『オーウェル評論集』岩波文庫
魯迅『魯迅評論集』岩波文庫
トム・ウルフ『そしてみんな軽くなった』ちくま文庫・品切
坂口安吾『堕落論』角川文庫
林達夫『共産主義的人間』中公文庫
小林秀雄『考えるヒント』文春文庫
山本夏彦『笑わぬでもなし』中公文庫
野坂昭如『卑怯者の思想』中公文庫・品切
中上健次『破壊せよとアイラーは言った』集英社文庫・品切
田中康夫『ファディッシュ考現学』新潮文庫・品切
物知りおじさんたち
吉田健一『私の食物誌』中公文庫
植草甚一『ジャズ・エッセイ』河出文庫・品切
草森紳一『女の魅力百景 しぐさについて』ワニ文庫
戸板康二『ちょっといい話』文春文庫
青山二郎『眼の哲学/利休伝ノート』講談社文芸文庫
久保田二郎『手のうちはいつもフルハウス』角川文庫・品切
奥本大三郎『虫の宇宙誌』集英社文庫
都筑道夫『昨日のツヅキです』新潮文庫・品切
小林信彦『笑学百科』新潮文庫
色川武大『なつかしい芸人たち』新潮文庫
極私的名文案内
花田清輝『箱の話/ここだけの話』講談社文芸文庫
小沼丹『小さな手袋』講談社文芸文庫
青山南『ピーターとペーターの狭間で』ちくま文庫
常盤新平『グラスの中の街』文春文庫・品切
神吉拓郎『たべもの芳名録』文春文庫
澁澤龍彦『マルジナリア』福武文庫
安藤鶴夫『ごぶ・ゆるね』旺文社文庫・絶版
森銑三『史伝閑歩』中公文庫
亀和田武『1963年のルイジアナ・ママ』徳間文庫・品切
松村雄策『岩石生活入門』ちくま文庫・品切
小林信彦についてはこう書かれている。
熟読玩味といえば、色川武大と小林信彦。この二冊以外にも例えば色川の『唄えば天国ジャズソング』(ちくま文庫)や小林の『日本の喜劇人』(新潮文庫)を、若き私は、一体何度読み返したことでしょう。
【エッセイストになるための文庫本100冊】に載っている本も、古本屋で見つけたら、買っていった。
しかし、【坪内祐三の学生時代に滋養となった100冊の本】を見て買った本より、積ん読率は高い。
だが、『笑学百科』はよく読んだ。
『シブい本』には、【雑文集で選ぶちくま文庫ベスト10】と【小さな社会人大学 中公文庫の100冊】というエッセイもある。
ついでに、これらも紹介する。
【雑文集で選ぶちくま文庫ベスト10】
種村季弘編『東京百話』
中野翠編・森茉莉『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』
三島由紀夫『私の遍歴時代』
藤森照信編・今和次郎『考現学入門』
赤瀬川原平『超芸術トマソン』
吉野孝雄編・宮武外骨『新編予は危険人物なり』
川本三郎『雑踏の社会学』
小林信彦『コラムは歌う』
蓮實重彦『表層批判宣言』
松村雄策『アビイ・ロードからの裏通り』
【小さな社会人大学 中公文庫の100冊】は「夢かうつつか幻の中公文庫の50冊」と「ありがとう中公文庫の50冊」から成る。
「夢かうつつか」は、坪内祐三が「勝手に中公文庫の新刊を」作ったものである。
「ありがとう」は、色々ユニークなジャンルの類書を数え切れないほど収録している中公文庫へ感謝の意味をこめて作ったリストである。
【小さな社会人大学 中公文庫の100冊】
「夢かうつつか幻の中公文庫の50冊」
この人の本をもう一冊
松崎天民『東京の女』
生方敏郎『食後談笑』
吉野作造『閑談の閑談』
木村毅『日本実業家列伝』
宇野浩二『文学的散歩』(大正版)
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親本は中央公論社刊
坪内逍遥『柿の蔕』
上司小剣『U新聞年代記』
浅原六朗『都会の点描派』
杉山平助『文学的自叙伝』
直木三十五『直木三十五随筆集』
知る人ぞ知る東京本
谷崎潤一郎『東京をおもふ』
水島爾保布『新東京繁昌記』
渋川玄耳『日本見物』
サトウ・ハチロー『僕の東京地図』
伊藤銀月『詩的東京』
東京生まれの江戸人
林若樹『集古随筆』
山中恭古『恭古随筆』
岩本素白『素白随筆』
坪井正五郎『完本うしのよだれ』(文庫オリジナル)
舟橋聖一『相撲記』
文學界とホトトギス
戸川秋骨『食後の散歩』
馬場孤蝶『野客漫言』
平田禿木『禿木雑筆』
寒川鼠骨『鶯巷雲片』(文庫オリジナル)
阪本四方太『夢の如し』(文庫オリジナル)
出色の肖像集
内田魯庵『紫煙の人々』
窪田空穂『思い出す人びと』
大町桂月『十人十色名物男』
市島春城『春城筆語』
小島政二郎『眼中の人』(この後、岩波文庫に入った)
文化史としての自叙伝
松井柏軒『四十五年記者生活』
三宅雪嶺『大学今音譚』
江見水蔭『自己中心明治文壇史』
巖谷小波『小波身上噺』
高橋義雄『箒のあと』
明治のディテール
石井研堂『明治事物起原』
宮武外骨『明治奇聞』
木村小舟『明治少年文化史話』
柳田泉『随筆明治文学』
横山健堂『趣味と人物』
エログロナンセンス
大宅壮一『モダン層とモダン相』
村島帰之『カフェー時代』
高田保『有閑雑記帳』
秦豊吉『伯林―東京』
畑耕一『ラクダのコブ』
きわめつけ渋い本
木佐木勝『木佐木日記』
饗庭篁村『旅硯』
淡島寒月『梵雲庵雑話』
沼波瓊音『芭蕉の臨終』
薄田斬雲『天下之記者―名山田一郎君言行録』
「ありがとう中公文庫の50冊」
知られざる江戸
鹿島萬兵衛『江戸の夕栄』
陳奮館主人『江戸の芸者』
矢田挿雲『江戸から東京へ(一~九)』
柴田流星『残されたる江戸』
大熊喜邦『江戸建築叢話』
角田喜久雄『東京埋蔵金考』
東京モダン今昔
山本笑月『明治世相百話』
生方敏郎『明治大正見聞史』
小村雪岱『日本橋檜物町』
大曲駒村『東京灰燼記』
安藤更生『銀座細見』
松崎天民『銀座』
川端康成『浅草紅団』
ジャーナリストの回想記
古島一雄『一老政治家の回想』
徳富猪一郎『蘇翁夢物語』
馬場恒吾『自伝点描』
牧野武夫『雲か山か』
飛田穂洲『熱球三十年』
野村胡堂『胡堂百話』
痛快無比の回顧録
長井実編『自叙益田孝翁伝』
上塚司編『高橋是清自伝(上・下)』
三浦梧楼『観樹将軍回顧録』
岡本柳之助・平井晩村編『風雲回顧録』
西園寺公望・国木田独歩編『陶庵随筆』
田中貢太郎『貢太郎見聞録』
腹持ちのする伝記
青江舜二郎『狩野亨吉の生涯』
杉山茂丸『児玉大将伝』
矢野竜渓『安田善次郎伝』
塩谷賛『幸田露伴(全四冊)』
結城禮一郎『旧幕新撰組の結城無二三』
山田美妙『あぎなるど』
様々な肖像集
池辺三山『三大政治家』
井筒月翁『維新侠艶録』
野村無名庵『本朝話人伝』
子母沢寛『味覚極楽』
長谷川伸『佐幕派史談』
宮岡謙二『旅芸人始末書』
本田一郎『仕立屋銀次』
もうひとつの文学史
木村毅『大衆文学十六講』
三田村鳶魚『大衆文芸評判記』
有本芳水『笛鳴りやまず』
吉屋信子『自伝的女流文壇史』
谷崎潤一郎『青春物語』
宇野浩二『芥川龍之介(上・下)』
海の向こうを見た
徳川義親『じゃがたら紀行』
原勝郎『南海一見』
阿郡知二『火の島』
宮崎市定『西アジア遊記』
橘瑞超『中亜探検』
大庭柯公『露国及び露人研究』
【雑文集で選ぶちくま文庫ベスト10】の本はいくつか買ったが、【小さな社会人大学 中公文庫の100冊】の方はシブすぎてまったく買っていない。