マクドナルドがけっこう好きだ。
好きといっても、提供している食べ物が美味しくてたまらない!という類のものではない。
じゃあ何が私をマクドナルドに向かわせるのか。
それはインターネット環境に接続できるからである。
加えて、ファミレスがそうであるように、ほどほどに騒がしい環境であるので、パソコンのモニターに没頭できるのである。
ただし都心はダメである。
いいのは郊外にある、2階建とかのマクドナルド。
都心だと店員が始終店内を徘徊し、どんどん片してしまい、机上にはPCしかない状態にあっという間にさせられ、店外へ出るよう無言のプレッシャーをかけられてしまう。
(それを跳ね除けられるのは、女子高生2人組くらいである)
その点郊外なら、余裕がある。客数がそんなに多くないのでたまに店員が来ても、適当に掃除をしたら、すぐにレジ方面に戻っていってしまう。
だからいいのである。
ある日、とある作業をPCで行おうと、私はマクドナルドに赴いた。
別にマクドナルドに行くからといって、ハンバーガーなどを注文するわけではない。コーヒーとか100円で買える軽食関連がメイン。
その日はなんとなく小腹も減っていたので、最近発売されたシャカシャカチキンというものも購入してみた。コーヒーとあわせて200円。安い!
この金額で、ネットのある環境で座りながら作業ができてしまうのであるからすごい。
シャカシャカチキンとは簡単に言うと鳥を揚げたものである。

■こんなふくろに入っている

■食べかけでごめんなさい
そこに、「ホットチリ」「レモンペッパー」「チーズ」から好きなフレーバーをかけて、シャカシャカするわけである。
私もシャカシャカさせながら、コーヒーを飲みつつ、PCが立ち上がるのを待った。
周囲には、地元の中学生らしき男子集団がぎゃあぎゃあ騒いでいる。よくある光景だ。マクドナルドがたまり場と化しているのである。(自分も中学生だったらそうしていただろう)
で、シャカシャカチキンをほおばることでなぜか昔を思い出した。
それは小・中学時代の頃の話。
マクドナルドでたむろしている地元の中学生集団よろしく、私も友人らと日が暮れるまで飽きることなく毎日、自転車で周囲を徘徊しながら遊び呆けていた。
近くにある、稼動しているのかどうかよくわからない工場に「探検」と称して忍び込み、電源ブレーカーを落として逃げたり、高速道路に自転車で侵入を試みて、ドライバーに怒鳴られたり、近くにあった電車専用の鉄橋をわたって、某電力会社の人たちに追いかけられたり、まったくもって衝動に任せた遊びを行い、無軌道にスリルを求めて行動していた。(結果、先生に殴られたりしていた)
このように遊び呆けることで腹は減る。この空腹を満たすために、駄菓子屋へ向かう。駄菓子に物足りなくなると、よく地元の精肉店に立ち寄り、飴玉大に切られたじゃが芋に衣をつけて揚げた「ポテト」というものをこぞって購入。近くの公園でみんなで食べたものである。なにせ安い。1個5円なのだ。ふつうに「3個」とか「5個」を購入していた。(なぜか「1個」というのは誰もやらなかった。子供なりのタブーだったのだ)
夕方になると、自分の母も含め友人の母親などがこの精肉店やってくるもので、思春期の我々は気恥ずかしい思いに駆られたものである。
そんなこともあり、遠方の精肉店を開拓することになった。そのときにわかったのは、「ポテト」とはどの精肉店にもあるわけでもない、ということだ。
我々の集団きってのポテト好きの友人などは、遠方の精肉店にポテトがないことを嘆き、しぶしぶ80円の「串カツ」を購入してほおばったいた。そして口に入れた瞬間、そのたまねぎと豚肉が織り成す複雑な味に悶絶していた。(当然家で食べたことはあるだろうが、この集団内で、公園で食したものだから違った印象があったのだろう)
確かにうまかった。たまねぎの甘みを今でも覚えている。串カツに「遠方の精肉店で購入した」ありがたみが加わり、さらにみんなで購入したため、みんなで「うまいうまい」いっていたので印象が増幅されたのかもしれない。
ただこの出来事を契機に我々は、いろいろな精肉店へ出かけては、揚げ物を食し、「あそこはあげたて」「あそこはソースタダ」みたいに情報交換しあうということがちょっとしたブームとなった。(やがて300円近くする「とんかつ」をほおばる奴までもが現れた!)
我々は、これまでは近視眼的に、ただよく集まる公園の近くにあった精肉店が販売する「ポテト」にこだわりすぎていたが、遠方の精肉店へ遠征することで、もう少しお金を払えばもっとおいしい揚げ物にありつけることができることを学んだわけである。
・・・と、いうようなことを、シャカシャカチキンをほおばりながら、店内で騒いでいる中学生の絶叫を聞きながらから思い出してしまったのである。
我々が小・中学生の頃は近くにマクドナルドなどなかったから精肉店で揚げ物を食していたが、最近の小・中学生はマクドナルドで揚げ物にありつく、ということなのだろう。
「少年はいつも動かない。世界ばかりが沈んでいくんだ」とは野田秀樹の戯曲「ゼンダ城の虜」の台詞。それもついでに思い出してしまった。
実は私はこの野田秀樹の戯曲でいうところの「沈んでいく世界」にとても興味・関心がある。つまり13~15年くらいの時を経て友人らと揚げ物をほおばるにあたり購入する場所が「地元の精肉店」から「マクドナルド」にならざるを得なかったこの「世界」に。「地元の精肉店」はほとんど潰れた。「沈んでいく」のかどうかはわからないが、あまり良いことではない気がしてならない。この話はまたそのうち。