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第78回アカデミー賞が発表された。
作品賞は、『クラッシュ』。
監督賞は、アン・リー(『ブロークバック・マウンテン』)。
主演男優賞は、フィリップ・シーモア・ホフマン(『カポーティ』)。
主演女優賞は、リース・ウィザースプーン(『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』)。
助演男優賞は、ジョージ・クルーニー(『シリアナ』)。
助演女優賞は、レイチェル・ワイズ(『ナイロビの蜂』)。
それはさておき、川本三郎は『アカデミー賞』という本を書いている。
現在は中公文庫に入っているが、私が持っているのは中公新書版である。
100円で買ったのだが、中に新聞書評が貼り付けてある。
それも2枚。
蔵書印まである。
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こういう本を100円で手に入れたと思うとスゴくうれしくなる。
これもさておき、「今年のアカデミー賞はつまらない」である。
小林信彦は2006/3/9号の『週刊文春』のコラムでこう書いている。
今年のアカデミー賞はつまらない。
もっとも、アカデミー賞をどの作品がとるかなんてことは、ぼくが高校生・大学生のころはモンダイにもならなかった。
テレビがない、とか、情報が遅かった、ということはある。しかし、映画少年だった――つまり子供のころのわれわれは、アカデミー賞より「キネマ旬報」の賞の方がずっと信用できると思っていた。
たとえば、〈アカデミー賞的演技〉なんてコトバを、子供のくせに軽蔑的に使っていた。〈クサい、オーバーな芝居〉ということだが、アルコール依存症(「失われた週末」のレイ・ミランド)など病人を演じれば、オスカーはとれるといった冗談もあった。
今年のアカデミー賞はつまらないらしい。
「今年の」であることに注目してもらいたい。
たぶん、小林信彦にとって、ここ数年のアカデミー賞はつまらなくなかったのだろう。
第77回はイーストウッドの『ミリオンダラー・ベイビー』が作品賞、監督賞などを受賞している。
確か小林信彦は『ミリオンダラー・ベイビー』を文春のコラムで絶賛していたと思う。
(まだ本になってないので、確認できませんでした)
第76回は『ミスティク・リバー』のショーン・ペンが主演男優賞、ティム・ロビンスが助演男優賞を受賞した。
イーストウッドも監督賞でノミネートされていた。
文春のコラムではこう書いていた。
年に映画を一本だけ観るあなたは、「ミスティック・リバー」を観れば、今年はもうアメリカ映画を観る必要はない。これはやや言過ぎだが、「ミスティック・リバー」はそういう正統的な傑作である。
クリント・イーストウッドの演出が、七十を過ぎて、ますます冴えているのに、ぼくは驚嘆の念を抱いている。七十になっても仕事をしている監督は、内外にいるが、こんなレヴェルの高い仕事を継続させている監督はいないだろう。
(小林信彦『本音を申せば』文藝春秋2005年)
第75回は『シカゴ』が作品賞を受賞している。
『ぼくが選んだ洋画・邦画ベスト200』(文春文庫2003年)の「文庫版のためのあとがき」で小林信彦はこう書いている。
単行本の副題だった「ぼくが選んだ20世紀洋画・邦画ベスト200」から〈20世紀〉を外したのが本書のタイトルである。
となると、21世紀の映画も入れなければと思うのだが、洋画では「シカゴ」(二〇〇二)が入るかどうか。邦画ではあえて百本に加える作品はなかった。
つまり、ここ3年のアカデミー賞は小林信彦好みの作品が絡んでいるのだ。
今年は残念ながらつまらないらしい。
じゃあ、『プロデューサーズ』でも観ようかな。