公共トイレのバイプレーヤー
2005年11月23日[衛生陶器愛好家の、トイレ巡礼] by 木村
トイレという空間、特に不特定多数の人が利用する公共トイレには利用者が気持ちよく利用できるようにするためのさまざまな「小物」が採用されています。例えばトイレの洗浄音に似た音を機械で発することで「二度流し」の代わりを果たすTOTOの音姫に代表される節水トーンや他人の肌に直接触れた便座に座ることへの抵抗をなくすための便座除菌クリーナーや便座シートなどがあげられます。
これらの製品はプライバシーや衛生面などといった自宅のトイレを利用している時にはあまり気にならない、言わば公共トイレ独特の問題を解決するための製品と言う事になるかと思います。多くの人が利用するトイレだからこそプライバシーは確保したい、衛生的な方がいい、他人が出したにおいは気になるから少ないほうがいい。という風に年々高まっている公共トイレに対する要求に答えていくために、便器や手洗い器といった基本的な設備を影で支えているバイプレイヤーというべき存在ではないでしょうか。
今回は私達が公共トイレでなんとなく接しているバイプレイヤーにスポットを当てて行きたい思います。話題の中心にするのは男性の方ならおそらく一度はお目にかかったことがあるであろうあの製品を販売している企業です。
このマークに見覚えはないでしょうか?さらに、男性の方なら小便器の脇に備え付けられたこんな形の物体に一度はお目にかかったことがあるのではないでしょうか?
もうお気づきでしょう。そう、これこそが今回話題の中心にする日本カルミックのロゴマーク及びその製品というわけです。
サイトのトップページにもでかでかと写真が掲載されているこの製品はサニタイザーと呼ばれ、小便器の洗浄水に独自の薬剤を混ぜることで便器の洗浄や脱臭、静菌、果ては配水管の詰まり防止にも効果を発揮するというすごい製品なのです。この製品の存在は小さい頃から知っていましたが、この製品の効能や製品名を知ったのは比較的最近のことです。小さい頃は「灰皿みたいだな」と思っていた以外は特に気に留めていませんでした。また、必ず「calmic」のロゴが入っているため、これを製品名と勘違いし、単純に「カルミック」と呼んでいました。
その位多くの男性用トイレの小便器に設置されているサニタイザーですが、それもそのはず。この製品が発売されたのは1970年のことだそうですから(発売当時の製品名は「カルミック・ユニット」だったそうです)実に35年間も使われている製品ということになります。おそらくその間製品の外観にはほとんど手は加えられなかったのでしょう。だとするとあの今となってはレトロ小物のような印象すら漂う銀色に光るボディもうなずけます。私個人としてはこの銀色のボディは時代に流されない普遍的なデザインであるのに加え、最近のトイレ製品にない質感を感じるため好感が持っています。また、この製品には先ほど挙げた効果のほかにもう一つ、芳香という効果があるのですが、この香りも押し付けがましさがない上品な香りで好みです。
そんなサニタイザーを筆頭とする日本カルミックの製品にはcalmicのロゴのほかにもう一つ共通に付いているロゴがあります。この文章の初めのほうに載せた写真では詳しくは確認できませんがcalmicロゴの下になにやらローマ字が書いているのが確認できるでしょうか。
そこにはRentokil Initialと書かれています。私は当初「キャッチコピー?」と思っていましたがどうもピンとこない。するとどうでしょう、これは日本カルミックの親会社の名前ではありませんか!そう、「日本」カルミックというお名前が示唆するようにこの会社は英国のRentokil Initial社の子会社なのでした。言われてみれば確かにサニタイザーのデザインからは「舶来」の香りがしなくもないですね。この会社も合併してできたようで日本の三菱UFJなどに通じるような長い名前になっています。本国ではトイレ関係の製品のほかにもセキュリティや宅配サービスまで行っている大企業のようです。
ここで一つ疑問が生じてきます。Calmicという社名の出所についてです。世界各国でRentokil Initial(製品の分野によってはどちらか一方)という名前で通っているにもかかわらずなぜか日本と韓国(サイトは見つかりませんでしたが、イギリスのサイトを見るとそのように書かれています)ではCalmicなのでしょうか?他のアジアの諸国はRentokil Initialブランドを採用していますからアジア向けブランドという線も考えにくいのです。これについての謎は結局解けずじまいでした。
そんな謎もありましたが、今回のコラム執筆を通して自分としても日本カルミックの奥深さについて再認識することができたと満足しております。多岐にわたる製品ラインナップで今後も日本カルミックには公共トイレにおけるあらゆる面でのバイプレーヤーとしての立場を確固たるものにしていただきたいものです。
最後に紹介するのはマクドナルド飯田橋店にて発見した日本カルミックの製品。ここのトイレは男女共用であるため発見しました。女性が利用するサニタリーボックスをより清潔に改良したものです。センサーで上部のふたが自動開閉し、さらにそれと同時に受け皿がせり出す構造のため、直接手を触れずなおかつ中身も見ずに捨てることが出来るという製品です。少々大型なのが難点かと思いますが、なかなかこれも便利ではないでしょうか。
それではまた次週
<今回紹介したトイレ>
マクドナルド飯田橋店
JR中央線飯田橋駅東口、東京メトロ飯田橋駅B2a出口下車すぐ
<関連リンク>
日経ものづくり2005年3月号 開発の鉄人 ものづくりを語る
サニタイザーのレンタルの仕組みについて触れられています。雑誌の記事の紹介という形なので途中で切れているのが残念ですが一応紹介します。


この会社は詐欺会社です。
写真のサニコーナーのゴミは不定期で回収され、中には1ヶ月間ためっぱなしのところもあります。
蛆虫がわき、不衛生極まりないんですよ。
何も知らないで、褒めちぎるのはいかがなものでしょうか。