「志の高い人とつき合う」

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私が、ここにいたるまで自分そして会社を成長させるために、仕事上の人づき合いで一番重視してきたことは、「偉い人」や「できる人」より「志の高い人」とつき合うことです。
(P24 日経ビジネスアソシエ 2005年12/6号)


これは、雑誌日経ビジネスアソシエにて「渋谷ではたらく社長のキャリアアップ塾」という連載をしている、今をときめくIT企業、サイバーエージェントの社長藤田晋氏の言葉である。
最近では、彼の書いた「渋谷ではたらく社長の告白」という本は話題になっている。なかなか評判も高いようだ。書店に赴くたびに、その本に食指が動かなかったわけではないのだが、なんだか「胡散臭い」といった印象を払拭することができず、その本を購入するには至らなかった。メディアに取り上げられる彼を、とりわけてチェックしているわけでもないけれど、なんとなく彼に対して胡散臭い印象を持っていたのだ。(※1)
しかし今回、目にとまったこの連載を読んで、見方が変わった。純粋に「そうだよね、なにかを成し遂げるにあたって志って大事だよね」と共感したのである。というのも、「クライアントにメリットを与えられることをやりがいとして、仕事をしていきたいものであるよなぁ。志なく仕事するのはまっぴらですよ」と強く思ったことに起因している。だから私の心に強く響いたのであろう。
とりあえず今度「渋谷ではたらく社長の告白」を読んでみようかな、と思った。


※1

…というのも数年前に読んでいた本に以下のような記述があったからだ。

 彼の実像は案外と伝えられていなかったように思う。早くも数多く巷間に流布し始めているその企業家伝説に詳細な検討を加えると、別の藤田像が浮かび上がってくる。

 たとえば彼のミュージシャン志望とその挫折について――。藤田は自分の昔のバンド仲間が今はプロデビューして活動しているとさまざまな機会に語っている。この発言は藤田の音楽的力量を保証する効果を発揮する。プロへの道を断念したとはいえ、後にプロになるメンバーと一緒にバンド活動していた藤田はやはり相当の実力の持ち主だったのだろうと思わせる。そして「元ミュージシャン志望の企業家」という経歴は、新しいタイプの経営者像をイメージさせ、特に若い世代にアッピールする。

 しかし事実は少し違っている。

「一緒にバンドはやっていないですよ。中学のときに別々のバンドで学園祭に出たのが唯一の音楽的接点」。東芝EMIのオフィスで、「スーパーバタードック」のドラムス担当、沢田周一が言う。さらに藤田が「プロになるのを諦めた」と語っていることについて沢田は一笑に付する。「だってあいつの歌は……、歌い出した瞬間に聞いている方は眼が点になった。練習してうまくなるレベルではなかった」

 学園祭で藤田のバンドは「ハウンドドック」の曲をコピーして演奏した。観客はまずその歌にのけぞり、次に藤田が披露した妙な身振りに唖然とした。それが「マイケルジャクソンのつもり」だったことが分かったのは、ステージが引けた後だったと言う。沢田は藤田が「音楽が好きだったというよりも、人前に出るのが好きだったんじゃないか」と評する。

 このように周囲は藤田をミュージシャン志望者だったとは見ていない。その意味で藤田の語る彼自身の過去は、かなり都合よく変形されている。

(P19-20IT革命原論 武田徹 共同通信社)

…あかんではないか。そして、胡散臭いではないか。


今回の引用元
NBA20051206-M[1].jpg
日経ビジネスアソシエ 2005年12/6号)

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