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9月18日、高尾山ビアマウントに行ってきた。
(2週間も前のことか)
東海林さだおの『親子丼の丸かじり』(文春文庫2002年)の「山上のビアガーデン」というエッセイを読んで、行きたいと思っていたのだが、なかなか行けなかった。
屋外で飲むビールはウマい。屋内で飲むのとちがう味になる。
東京ドームで飲むビールはまずい。
神宮球場で飲むビールはウマい。
風が吹き渡ってきてジョッキの泡が風に揺れる。
特に夏は、ビールは屋外にかぎる。
ビアホールよりビアガーデン。
街の中より山の中。
山の上で飲むビールはこたえられない。
食べ放題のおつまみは充実していて、枝豆、焼き鳥の定番から始まって、チマキ、アスパラクリーム煮、手羽先煮こみなど、なかなかこったものもたくさんある上に、時間の経過と共に更に新顔が登場するので、ときどき偵察に出かけなければならない。
八時近くなってもまだまだビールを飲みにくる人の列は絶えず、ここは知る人ぞ知る山の中のビールの楽園なのであった。
(東海林さだお『親子丼の丸かじり』文春文庫2002年)
もう夏も終わったから、ビアガーデンでもないかなァと思ったのだが、その時、名案を思いついた。
ビアマウントで中秋の名月を肴にビールを飲むのだ。
午後1時過ぎ、高尾山口に着いて、高橋家という蕎麦屋に入った。
朝から高尾山に登った人たちが帰ってきてご飯を食べる時間なのだろうか、席がいっぱいだった。
少し待って、席につき、冷や酒と天婦羅せいろを注文。
あ、それから、冷やし焼き茄子も。
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杉浦日向子は「昼の酒」というコラムでこう言っている。
東京のソバ屋のいいところは、昼さがり、女ひとりふらりと入って、席に着くや開口一番、「お酒冷やで一本」といっても、「ハーイ」と、しごく当たり前に、つきだしと徳利が気持ち良く目前にあらわれることだ。
(杉浦日向子とソ連編著『もっとソバ屋で憩う』新潮文庫2002年)
そうなのである。蕎麦屋は昼から飲めるのがいい。
それに蕎麦屋での昼酒はバカにウマい。
(今回は休日の観光地だったけど、平日の町中だともっとウマい)
せっかくなので、地酒を飲んだ。
中島酒造の「日出山」である。
この酒は、『るるぶ 八王子市』(JTBパブリッシング2005年)によれば、浅川水系の硬質な水を使い非常にキレが良いそうだ。
お酒を飲んで気分が良くなったのか、当初のケーブルカー案を廃案にして、自力で登ることにした。
自力で登ることを決意させたのは、あるいは、蕎麦だったのかも知れない。
蕎麦は「米や小麦粉など足もとにも寄れないほど驚異の栄養素をもつ穀物界のスタミナ王なのだ」。
そばがなぜ、スーパー食なのかはその栄養成分をみるとわかる。実に多彩な栄養素で構成されているのだ。そばなんか、せいぜいデンプンがあるだけだろ、とバカにしがちだが、とんでもない誤解。米なんかより、よほど栄養的には優れた穀物なのだ。
確かにデンプンは多い。そば粉の七割はデンプンだ。デンプンは糖となってエネルギーになることはご存じだろうが、そばのデンプンは米、麦、粟、ヒエなどの穀物のデンプンに比べて最も糖化度が高く、一番簡単に糖化する。
また、そばのデンプンは多角形で直径二~六ミクロンと小麦粉などに比べてはるかに小さい。そのため消化もよく、胃腸に負担をかけない。一般的にはデンプンは火を通さないとお腹をこわすが、そばの場合は生で食べても大丈夫だ。忍者がそば粉を携帯食にもち歩いたのも、その栄養だけでなく火を使わなくてもそのまま食べられるからだ。
(全日本そば学会/編『日本そば』頸文社文庫1993年)
私は、忍者のようにとはいかないまでも、楽々とビアガーデンまで行けると思っていた。
「標高四百三十七メートルの山の中のビアガーデン」なのだから。
しかし、予想以上に私の体力は衰えていた。
やっとの思いで上まであがった。
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(↑昼間の景色)
月が出るにはまだ早かったので「さる園」に行って、5時頃ビアマウントへ向かった。
そうしたら、整理券を配っているではないか。
なんと整理番号160番台。
ビアマウント最終日は19日。18日はやっぱり混んでいるのかァ。
20分ぐらい待って、入場できたが、すごい混雑で席をとるのも大変だった。
やっととった席には、前の人の食器などが置きっぱなしだし。
そして何よりも残念なのが、その席から月が見えない!
まあ、それでも、楽しくビールを飲んで、2時間を過ごしました。
帰りのケーブルカーに乗る前に月見もできたし。
でも、今度はすいてる日に来てみたいな。
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(↑八王子の夜景と中秋の名月)
この日はそのあと八王子で日本酒を少し飲んで帰りました。