トイレで見られるレトロな一面を二週にわたって紹介していく予定だった今回のこのコーナーですが、今回余談として用意していた話が思いのほか長くなってしまったため、今週書く予定だった話は来週に持ち越そうと思います。
今週は便器の色について書いていきます。以前にも取り上げた話題ですが、前回とは切り口を変えてタイトルの通りレトロなトイレのカラーリングについてです。TOTOによると衛生陶器のカラー化が始まったのは1970年からだそうですが、それから今に至るまでの間トイレのカラーも時代によって変わってきているのです。
一昔前のカラーリングの方向性の片鱗を感じることが出来るという点で興味深いのが下の画像の便器です。一見何の変哲もないパステルブルーの便器に見えますが、よ~く見るとややパステルブルーの色調が現在の便器と比較して濃いのが分かります。それがより分かりやすいのが右の画像で、比較的最近に取り替えられたものだと思われる最近のパステルブルーとの並びです。そう、一昔前のカラー便器は今のカラー便器と比較してどれも色調がきついのです。青もピンクも黄色も最近のやや白みがかってまさに「パステル」な便器とは一味違うぜと言いたげに各々のカラーを主張しています。実際見た感じの印象は写真で見るよりもさらにくすんだ感じで、下手するとこれはパステルとは言いがたいのでは?と勘ぐりたくもなります。
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このタイプのカラーの便器がいつまで生産されていたのかははっきりとは分かりません(14-16年ほど前に何度か何の変哲もない色なのに「ニューカラー」というステッカーが貼られた便器を見たことがあるので、ひょっとしたらその時期に定番色であるパステルカラーが現在の色調に変わったのかもしれません。)が、この色の便器を見るとなんとなく小学校時代に学校から帰ってくるとテレビで流れていた2時間ドラマの再放送の情景を思い出してしまいます。なぜか暗くてなおかつ色彩の強い映像、ギラギラな女性のファッション、そしてCMに入ってもその時間でしか見られないような古めかしい商品の通販・・・。なにもかもが私に「昭和」という未知の世界を見せてくれていました。そしてこれらの色の便器はおそらくそんなテレビの中の情景が似合うような気がするのです。
なぜならこの時代は人々のファッションもさることながら様々な工業製品も派手な時代だったと私には移るからです。一度ネット上で一昔前の石丸電気のCM(現在のバージョンも十分「一昔前」ですが・・・)を見たことがありますが、真っ赤だったりグリーンだったりブルーだったり様々な色の掃除機が並んでいるカットはそこがとても電気店には思えないようなサイケデリックな雰囲気に満ちていましたし、一昔前の古い機材の飛行機のシートは極彩色のトロピカルな印象ものだったのを記憶しています。
そんな中、「トイレにだって主張ある色を!」となるのはある意味当然の流れかもしれません。当時の日本の雰囲気を今に伝えるレトロカラー便器、皆さんも是非探してみてください。
最後にもう一つ、この話の流れでもう一つ紹介しておきたい色があります。それは「アイボリー」、すなわち象牙色というその名前の通りかなり黄色がかった白といった感じの色です。ホワイトに比べ温かみがあり、かといって派手ではなく無難な色であることから一時期は家庭用の便器の色として結構高いシェアを誇っていましたが、いつのまにかカタログから消え、派生色のやや白の強いパステルアイボリーのみが残っています。このクリーム色にも近い色も上に記述したパステルカラーほどではないですが、今見ると独特の哀愁を漂わせます。特に便座または便器のどちらかがパステルアイボリーなどに取り替えられている場合はひときわです。白の強い透明感のある色とクリーム色のコントラストががいかにも「使い込まれてるな~」感を引き出すのです。
それではまた次週。
<今回紹介したトイレ>
アルペン小山ゆうえんち店
小山ゆうえんちが閉園したことを今日知りました・・・。
が、こちらは今でも営業しているそうです。