さて、二週続きで都内の特徴的なトイレを紹介してまいります今回のこのコラム、二週目の今日はところ変わって港区にある公衆トイレです。港区というと六本木や汐留、そしてお台場(一部ですが)などに代表される東京23区でも注目度の高いエリアを連想しますが、少し奥に入ってみると意外と味わい深い場所が残っているものです。今回はそんな場所に佇むすごいトイレを紹介します。
地下鉄白金高輪駅を出て方面へ少し歩いたところにあるタモリのTOKYO坂道美学入門で取り上げられたことのある三光坂のふもと付近にそのトイレはあります。そして今回紹介するトイレは実は以前にタモリ倶楽部に取り上げられたことのあるトイレだったりとなぜかタモリと縁の深い地です。(前述の本によるとどうやらタモリ氏はこの付近の雰囲気が好きらしく、コントの登場人物にも天現寺や古川橋などのこの付近の地名を登場させているとのこと。そういえばボキャブラ天国に「外科医天現寺弘雄」というコーナーがあったのを思い出しました。)
そのタモリ倶楽部で見て是非実物を見てみたいと思い、実際に行ってきましたがやはり期待を裏切らないインパクトでした。先週の大田区の公衆トイレもコンパクトさが特徴のトイレでしたが、今回紹介するトイレも同じように目を見張るほどの省スペース性が特徴です。しかし、「どうしてもこのスペースに収めなければ・・・」という設計者の切実さが伝わってくるという意味では今回のトイレがはるかに上かもしれません。果たして・・・。
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その名を「三光坂下公衆便所」というこのトイレですが、正面から見るとその類まれなる省スペース性を実感するのは難しいです。この角度から分かることは、地面に傾斜があるため男女それぞれの入り口に大きめの段差があること、妙にのっぺりとした印象の建物であること、そして男性用トイレを示すサインがちょっと不思議なことくらいでしょうか。こういったサインの胴体部分の表現で、女性用が三角形の場合は男性用は四角形か逆三角形という場合が多いのですが、なぜかこのトイレでは胴体部分がかすがい型になっています。広い肩幅を表現したかったのでしょうか?
さて、そんな正面から見ると普通のこのトイレも角度を変えると・・・。
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これが横から見た図です。どうです、この省スペース性!手前の郵便ポストと比較することでそのトイレの薄さが分かり、狭くはないが広いともいえない歩道がこのトイレによってさらに狭くなっているところでこのトイレがいかにギリギリの立地条件の上に成り立っていることが分かるという写真です。そう、このトイレは奥行きを小さくせざるを得ない立地条件からストイックに「薄さ」を追求した省スペーストイレなのです。
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内部の様子です。あの薄さから使いにくいトイレを想像してしまいますが、内部は意外と普通です。男性用の場合小便器、洗面器、個室が一直線にもちろん一つずつ配置されています。入り口から見て横方向の余裕はそれなりにあり、幅も思ったほど狭くはないので普通の体格の人なら無理なく用が足せるはずです。また、配色と照明の関係で暗く感じますが、清潔さはなかなか優秀です。においもほとんどありませんし、写真の通り和式便器がピカピカなのが特筆に価します。良く見るとTOTOの防汚加工”CeFiONTect”のステッカーが貼ってあったのでどうやら便器を新調したばかりのようです。
と、このようにぶっ飛んだ外観のトイレは意外と普通に使えるトイレであることが分かりました。このトイレがある辺りは車道、歩道共に広くなく、広いスペースを確保できそうなところが他にないためこのような薄さになったと思われます。つまり切実な理由がある薄さというわけです。設計者の苦労もいろいろあったと思われますが、結果としてこんな外観でもきちんと実用に耐えるトイレに仕上がってます。狭い場所にそびえ立つこのトイレには今後もこの付近のトイレ需要を満たすために頑張って欲しいものです。
それではまた次週
<今回紹介したトイレ>
三光坂下公衆便所
地下鉄白金高輪駅から徒歩7-8分