トイレも見かけによらぬもの

観光地はおもしろいトイレに出会えるチャンスの多い場所でもあります。観光に来ていただく方のために清潔感のあるトイレを提供することに加え、ちょっと話題性を出そうと凝った内外装のトイレが建てられていることが多いからです。
大体の場合公衆トイレという形で屋外に独立して建てられている場合が多いですが、外にあるということで砂埃や虫対策など屋外独特の問題が多く維持管理が大変なのか特に内装において建てられた当時の輝きを持ち続けているような例は残念ながら多くないです。奇抜な外観に魅かれて中に入ってみると「昔は輝いていたんだろうな・・・」となんとなくしみじみとした心境になるようなトイレも数多く体験しました。しかし、そういった「昔は良かった」的なトイレとは一味違った趣の外とのギャップをかもし出しているトイレを先日発見しましたので今回の話題にしたいと思います。


SLの運転で時々旅番組にも取り上げられるようになった大井川鉄道の終着駅、千頭。終着駅とあって駅舎も駅前広場も立派なのですが、駅前の隅のほうにそれは存在していました。

滝です!すぐに人工のものと分かるような滝ですが、それでもインパクトは十分。駅前の雰囲気に華を添えています。そして少し回りこんでみると・・・、それが公衆トイレだと分かるわけです。非常に凝っていますね、やはり水のある風景は癒されます。これを見せられてしまうとどうしても内部が気になるところですよね。中もさぞかしすごいんでしょう・・・

『あれ?』
普通・・・。と多くの方がそう思ったことでしょう。そう、見ての通り「普通」のトイレなのです。むしろ内装の配色と明かりの少なさから薄暗く、なおかつ清潔感も薄いので、快適といえる部類のトイレではありません。また、バリアフリー非対応であることから建てられてから結構年月が経っているものと思われます。
このトイレで印象的なのは外と中とのギャップの大きさ。しかも他の多くの観光地の公衆トイレのように内装のほうも作りこんで出来た当時は中も輝いていた、という「昔は良かった・・・」的なものではなくおそらく出来た当時から期待して中に入った人を拍子抜けさせて来たかのような内部の地味さが非常に印象的です。予算の都合で内部は普通にしようという方向性に決まったのでしょうか。
変に懲りすぎてしまって機能性や使い勝手がないがしろになってしまう可能性もあるため、公衆トイレとしてはこのように外はインパクトのあるデザイン、内部は普通という方向性は正しいのかもしれません。実際、それで困ることはないですから。また、そういったトイレがあるからこそ公衆トイレは中に入るまで分からない、という面白さもあるわけです。
しかし観光地である以上、訪れた方にトイレというおそらく滞在中一度は利用するであろう設備を気持ちよく利用していただくため、ぜひ清潔感のある、利用して気持ちのいいトイレを維持するようこのトイレだけでなく、全国の公衆トイレにお願いしたいところです。このトイレの場合、まず明るさの確保でしょうか。
それではまた次週
今回紹介したトイレ
大井川鉄道 千頭駅前公衆トイレ
大井川鉄道千頭駅そば

衛生陶器愛好家の、トイレ巡礼