はじめまして、「衛生陶器愛好家の、トイレ巡礼」と題して毎週水曜日にトイレについていろいろと書いていくことになった木村です。タイトルの「衛生陶器」はもちろん便器のことです。「じゃあ陶器じゃないステンレス製とかプラスチック製の便器はどうなんだ?」という声も聞こえてきそうですが、それらも取り上げるかもしれません。タイトルとして特徴的なものを、と考えた結果。こうなりました。
さて、記念すべき第一回はタイトルの通り、「最高峰の衛生陶器」について書いていこうと思います。今「最高峰の衛生陶器は?」と問われればTOTOのNEORESTやINAXのSatisの名前が挙がることでしょう。しかし、時はさかのぼること17年、1987年に「我こそは最高峰の便器」といわんばかりの便器がTOTOから登場しました。その名も「ウォシュレットQUEEN」。あえてKINGではなくQUEENとしたところがミソでしょうか、確かに「トイレの王」よりも「トイレの女王」のほうが優雅な感じがしますね。
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これが実物です。どうです!この上質感。まさにQUEENの名にふさわしいです。この色は当時著者が好きだった色でもある「エクセルブルー」という色です。何せ今の実家を建てるときに便器の色をこれにしようとしていたくらいですから。今考えたらごく普通の民家にこの色は明らかに不釣合いですが、当時はこの重厚感にあこがれたものです。
さてこのウォシュレットQUEEN、今ではさすがに寄る年波には勝てず最新型のNEORESTなどと比べると機能的には時代遅れに感じる面も多くなってきましたが、そこはQUEEN。この便器には一つ最新型の機種にも搭載されていないハイテク機能が搭載されているのです。
それが、左右に調整できるノズル!なのです。
最近の機種だとノズルを前後に調整できる機能はついていることが多いのですが、このQUEENでは左右にも調整が出来るのです。
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このリモコンを操作して、ノズルを前後左右に操ることが出来る、というわけです。今回はこの機能についてちょっと考えてみるべく、このQUEENを取り上げてみました。実は一見画期的に見えるこの機能ですが、搭載されたのは後にも先にもこの一機種だけ、というわけです。
さて、これまた重厚感ある(ただ大きいだけ、と言えなくもないですが)リモコンを操作しおしり洗浄開始!すると「ピッ!」という電子音の後ノズルから水が噴出します。温水の温度も水圧も申し分なく、快適な洗い心地。ノズルをまず前後に操作すると、心なしかノズルが動く範囲が大きい気がします。そこでまず少し感動。そしていよいよノズルを左右に動かすべくリモコンを操作します、すると・・・。
「おっ!」
「動くじゃない動くじゃない!」
しっかりとノズルが左右に動くではありませんか!
前後だけでは落としきれなかった(実は時々あるものです)汚れもこれならきちんと落とせます。まさに「かゆいところに手が届く」洗浄力!
しかし・・・。動かしすぎるとお尻のほっぺたの部分に勢いよく当たるせいか
「ノズルから出た水が跳ね返って便器の淵を伝って便器の外に出てしまいます・・・。
う~ん・・・。
家電製品もいろいろ「あっ、便利そう!」みたいな機能が付いていくたびに使える機能は残り、それほど意味のない機能は消えていく運命にあります。たとえば冷蔵庫の水を入れると自動的に氷が出来る機能はもはや当たり前になりましたが、温度を変えることで一つの部屋を冷蔵・冷凍・野菜・チルドなどのように切り替えられる機能は今一つメジャーになりきれていません。出た当時は便利と思って買ってみても実際にはあまり使わない、そんな良くあるパターンがウォシュレットにもあてはまるのだということを改めて実感しました。確かに左右ノズル調整は体験前に思っていた以上に気持ちのいいものだったのですが、「これを毎回使うか?」と聞かれれば「?」かもしれません。
しかしその反面、このQUEENは今のウォシュレットで当たり前となっている機能もすでに17年前に備えてもいました、例えばノズルが連続して前後に動くムーブ機能や消臭機能。そしてリモコンで水を流す機能。17年前にこれだけの内容を提案していたとなると今の「フチなし」や「音楽が聴ける」がウリのNEORESTに匹敵するもしくはそれ以上のインパクトがあったのではないでしょうか。TOTO初のウォシュレット一体型便器として、充実の内容と気品のあるデザイン(そのせいかラブホテルの客室に付いていることが多いらしい)で登場したウォシュレットQUEENは、以後のウォシュレットの歴史に大きな一歩を残す名機としてこれからも名を残していくのではないでしょうか。というまとめで第一回目を終わりたいと思います。
この「衛生陶器愛好家の、トイレ巡礼」では今後もトイレの周りの細かい事柄について長々と書いていく予定です。細かいところに絞ることによって非常に濃い内容の文章を生み出すことを目指し今後も毎週水曜に更新していきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
今回紹介したトイレ
DaVinci人形町(オフィスビル) 4F
東京メトロ日比谷線 人形町駅A1出口から徒歩約3分